【Google I/O】ソニーさん「Android TV」を全面押し!って大丈夫?【コラム】 #sony #android

 

ここの記事を斜め読みして
不安を通り越して心配になり記事を書くことにしました。

昔むかし、ソニー製のラジオを子守唄代わりに育ち
ラジカセやオーディオをクリスマスや入学式に
プレゼントされココロときめかしていた
いちコンシューマの端くれとして気になったから…。
(テレビ部門を切り離してできた子会社の話なんだけど…)

 

7月1日に発足したソニーのテレビ子会社
「ソニービジュアルプロダクツ」の新社長今村昌志氏が
先日Google I/Oのカンファレンスで発表されたAndroid TVについて
ちょっと不思議なことを言っているのだ…。

 「Google I/Oで私たち(SONY)が表明したのは、
2015年度のBRAVIAの多くのラインに、
Google社の「Android L(のAndroid TV)」を
採用する、ということです。」

 

 

と…。

 

 

●90年台のNECと同じ道をSONYが進む

今度のAndroid TVはどうやらTV版Windowsになるっぽい。
どこの国のどのメーカーが作っても同じルックス
同じインターフェイス同じ使い心地を提供するために
Googleがすべて統制を取る。

カスタマイズはさせない。

NECがPC98で誇っていた栄華を摘まれ
Windows3.0以降の下降線をたどっていったさまを
今度はソニーがテレビという舞台でたどるように見えた。

今度は大丈夫?

そんなはずはない。

 

同じことがガラケーからスマホへのシフトの際に起こっている。
PanasonicもNECもケータイ事業では息絶えてしまった。

今度は大丈夫?

ソニーだから大丈夫?

 

「今ソニーが自分達で、
まったく新しいOSを開発することはあり得ません。
お客様が便利で使いやすいものを横糸として選ぶことが
重要であり、Googleが新しく提唱するAndorid Lに、
BRAVIA全体をあわせていきたい、と考えています。」

記事には出ている。

 

 

 

●「SONYだから」は通用するのか?

 
Q2'13 薄型TV市場 上位ブランド世界売上シェア

サムスンが駄々をこねるなら通用するかもしれない。

2013年第二四半期

サムスンは
世界シェア26%を超えるテレビ売上シェア(NPD調べ)
Androidの出荷台数も多くシェア24.7%ガートナー調べ

対するSONY
テレビの売上シェアは8%NPD調べ)
Androidの出荷台数のシェア2.2%ガートナー調べ)

だから「SONYだから」は恐らく通用しない。

 

GoogleはGoogle Oneを提供する会社という意味でも分かる通り

端末が高付加価値製品を好むユーザーに刺さる。

とか

端末が高品位

とか

そういうセグメントされたひとに刺さること
デザイン性や使いやすさの粋には意義を見ず

アメリカ産ブランド
モトローラを軽く切り捨てたように

ソニーのブランド価値には見向きもしないだろう。

どれだけ大量にGoogle産のインターフェイスをばら撒き
どれだけ多くの人から情報を引き出せるかが重要なのだ。
すべての情報を検索し尽くし、その情報を
提供していくことで収益を出していく。

だから、ソニーが何か特別なテレビを出したいと言っても
Googleにとってはあまり価値の無いことかと。
(特別な情報になってしまうより一式揃ったデータのほうが
Googleに取っては価値が有るかもしれない。
そういう意味でセグメント化しにくいイレギュラーな
価値ある情報は特に必要のないことなのかもしれない)

 

Googleはサムスンの発言に耳を傾けても

小さなシェアしか持っていないソニーの話は

アクションこそあったとして、聞きいれないだろう。

 

「ソニーとGoogleはエコシステムで協業するのですが、
そこで「縦糸を掘る」ことはしっかりとやっていきたい。」

と今村氏は言っているそうだが、大丈夫なのか…。

 

 

●2015年以降2020年を目指して。

ただ、さきのことを考える必要はある。
2020年には多くの海外の人間が日本に来る。

日本から発信する情報がメディアに載る。
便利な日本を味わってもらう意味では
共通インターフェイスが必要

…なのか?

日本に来る意味は?
日本で提供されている価値に触れることでは?
世界に発信していくまたとないチャンスでは?

 

imodeがiPhoneのネットを使ったスマートフォンの
カタチを定義付けたり、SuicaやFeliCaケータイ決済が
Squareなどのケータイでの決済を予兆させたり。
日本は世界の何年か先を行っていたわけで

数年後にAndroidが多くを占める?ってのもかなり懐疑的だ。
電話としてのAndroidの評価は日本では
既に下っているようだし(Nenet記事)

そこにコミットしていくってのはリスクが大きいとも思う。

 

手前味噌になってしまうが

ソニーは

・自社で日本人が満足する品位のものをきちんと作る。

・社外の技術を取り込んだ汎用品もおさえる

・日本向けと世界向けの戦略を分ける

ということが重要では。

もしくは、

・フナイのように日本は無視する

かだ。

 

4Kだったりソーシャルだったりバーチャルだったり

とにかく

日本で受け入れられること
対価が支払われることに
どんどん突き進めばイイ。

それとは別に、

海外向けにきちんとマーケティングをした
競争力のある製品をきちんと出していけばイイ。

 

こと、日本においては
Googleよりも詳細なデータを取ったってイイ。
それをテレビ局に売りつけ収益の一つにするとか
直接ジャパネットなどに情報を売りつけたってイイ。
ソニーが復活するなら何となくみんな協力する気もする。

また、市場が全てアメリカ向きでもない。
ヨーロッパではアメリカ主導の技術を嫌う側面があるから
日本の技術をうまく提供できるよう、商売をすればイイ。

とにかくテレビもAndroidでってのは非常に安易な気がする。
既に日本人はAndroidから離れようとしているさなかに。
日本の文化とは違うAndroid Lを全面採用ってのはどうなのか…

もっと大きなタイアップならまだしも
この選択肢しか選べなかったのか?

 

「お客様にどのように簡便に、
どのように楽しくテレビを使っていただけるか、
ということが重要です。」

本当にそう思っているなら、
お客様が日本のカスタマーを指すのなら
Googleさんとソニーはインターフェイスを統一するか
どうかという根本的なレベルで
既に思想が違うわけなのだから考えを改めるべきと思う。

 

 

 ソニー、戻ってきてくれ。

 

…。
ネタ元

ソニー、2015年よりテレビに「Android TV」を全面採用へ

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Google、時計/TV/車向けAndroidではサードパーティーによるカスタマイズを禁止 –

ITmedia エンタープライズさん.

LCD TV Growth Strong in China, as Demand in Developed Regions Declines –

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