「Lucky Bag」今年から無し。
ということで、アスキーさんでは残念がってますが、個人的にはAppleの判断は非常に優れたものだったのでは?と思っています。
もちろんアスキーさんもそこは承知でしょうが。
福袋の中身に松竹梅があったり、年越しがてら並んで買ったりというのが非常に「お祭りっぽい」ところもあるのですが、Webで「Lucky Bag」が買えたとしても、ごくごく一部の店頭に並んでいる人たちだけのお祭り。ということになってしまいますから…
多くのお客様へのユーザー体験を提供し、ある程度均一な、しかも高品位な体験を提供し続けるということを考えると上出来だったと思います。
炎上対策としての側面
「Lucky Bag」というか、Apple以外のコーヒ屋とか量販店とかで展開してた福袋が元でトラブルが発生し、今年も多くの炎上騒ぎが起こっているようですが、恐らくそれらの様子は遠くアメリカにおいても話題になっていたんじゃないでしょうか。
iPhone発売日に関していえば、アメリカのApple Store前に並ぶ列をみても、日本の福袋待機列をみても、お祭りを楽しむ和やかな時代は既に通りこしていて、一部怪しい状態にあったり、別の目的で列に並んだりする、人も現れたりと。悲しいかなコレ現実なのよね…。と言った感じで…。
店頭での販売方式が大きく変わったのも記憶に新しいところ。
店側とユーザーが創りだす
お祭りとしての楽しみ。
…といった部分はあるものの、それ以外の、別の目的遂行のためなら努力を惜しまない方々の登場で、並ぶユーザーにも、店側にとっても潜在的なリスクになっていたのではと。
方向性の再確認としての判断
今回の判断は、なんとなくですが嘗てのAppleのユーザー会を支持していたAppleが姿勢を一気に転換した時期と同じようにも思えます。
Mac OS9を棺桶にツッコミ、クリーム色のmacを一蹴したジョブズ御大の行動に近いのかなということです。
方向を一度修正し、再度進み続けるような気概が感じられます。
フロッピーディスクを持ち寄ったりNewtonを見せ合ったり、ギークな方々が展示会の中心部分くらいに有ったAppleユーザー会のコーナーにいて話すのは楽しものでしたが、いまのAppleはそこからは少し離れたところにミッションがあるわけで、ローカルな集いにならないよう、心を入れ替えたのかなと。
恐らく、今回のような取り組みはAppleに関してだけ言えることだけではなく、ブランドを大切にしたいと思っている会社に取っては、近い将来選択が迫られてることなのかと思います。(こういったポリシーを曲げない判断は非常に難しいものです)
多くの人に、素敵な体験を提供し続ける
会社の使命。
すこし堅い話のような気もしますが、足元を救われないように心がけ、新しく一歩踏み出す意味ではいいターニングポイントだったと思います。
そこにはジョブズ御大はいないわけですし、福袋一個の問題ではない。
ネットの拡散力、炎上の火が多くの成功を紅蓮の炎で焼きつくしてしまわないようにという対策というネガティブな見方もあるけれど、良いサービスを絶えず提供するようなサービスを発信することを第一に考えたのかなと。
まぁ、代わりにアプリだったりとか、iTunesカードだったりとか多くの人に対して提供できる価値をAppleの祭りとして(もちろん、少したりないことは承知だけど)定期的に世界中で提供していくんじゃないでしょうか?
WWDCの基調講演や製品発表のストリーミング放送などは、引き続き展開されるでしょうし、AppleWatchの展示などを含め限定的な催しも逆に広がって行くものと思います。
終わってしまったことを悔いるより、Appleの素敵な新しいニュースを待ちたいかな。
ジョブズ御大以降の新しい動きだね。