Appleが出した特許が公開されてますね。
どこのサイトも翻訳がうまくなかったり、そもそもカメラの話をよく判ってないようでトンチンカンな感じもあったので、少し突っ込んで書いてみました。
iPhone7で採用…は流石にないかな?(後述)
■2つの素子だし、2眼カメラになるの?
ステレオカメラみたいに2つのレンズを離して設置するわけではありません。
2つのレンズの位置がずれると撮る絵にズレが出てくるのでそのズレを限りなく抑えるため「レンズ、もしくはミラーを2枚重ねて配置し微妙にずらし」「光線を受ける素子横並び」にするのが新しいんですね。
上のアナゴさんの唇みたいなのが二枚のミラー。 そして、下に有る2つの四角が撮像素子。 ミラーはペリクルミラーかも。 模式図では、ミラーだけなのか、レンズを含むのかは不明。
だもんで、見た目は2眼カメラやステレオカメラみたいな感じではない。
特許の絵をみると、ミラー/(レンズ込み?)に大小をつくり(大Aと小Bとする)、
おおきなミラーAを傾斜、A素子へ。小さなミラーBは正態で設置しB素子へ。
という感じ。
見た目は1つのレンズだけど、受光する素子は2つという変わり種。
さらにさらに続きます
■屈曲光学系
蝦ちゃんカメラ。凄い流行りましたよね。
また、スマホの薄さでは物理的にズームが難しかった部分を潜望鏡とか蝦ちゃんのカメラって感じで一時期ウケた富士フイルムのZシリーズとかみたいに解決。
要は、レンズと素子の関係の間に45度傾斜ミラーを一枚噛ませ屈折させた先に素子を置くことで前群と後群のレンズと素子の位置関係にゆとりを持たせるって訳です。
上の方にあるのが屈曲するためのミラー。 真ん中に有るのがレンズ群、 下に有るのが撮像素子。 レンズ群が動くことでズームしたり、引いたり自在になる。
あのiPhoneの薄い筐体にウマイことズームをぶっこむことは…できるのかなぁ。
無いよりマシって特許かも…。
で、前述の2つの素子を筐体の中の方に配置し、それぞれ各個別の動きをさせるという微妙な動きをさせるわけ。
ピント面の調整を2つの素子でやるっていう 2眼レフみたいなことはできないように思います。 ただ、少しおもしろいギミックですね。
上の画像みたいに…
- 片方を動画撮影、片方をスチルカメラ。
- 動画の中に寄りと引きの2つの絵を共存。
- 片方を望遠、片方を風景。
- 片方をマクロ、片方を近景。
そんな風に使うことを想定しているようです。
個人的には…
採用してほしくない。
単焦点レンズ1本の明るく性能を追求した光学系では無くなるでしょうから、少し野暮ったい絵を作るカメラになってしまう可能性がたかいんすよ。
また、iPhoneの薄さの分しか素子のサイズが確保できませんから、この断面のまま行くなら素子を大きくしてボケを少し多めにする…なんて最近のカメラの方向性には絶対向かわない。
この光学系をそのまま使う以上は、そういう話は未来永劫できなくなるのかと。
特に今回のiPhone7では薄さを追求する方向に行っているので、僕としては、この屈曲光学系を採用するっていうのは少し懐疑的です。
なんせ、iPhoneの厚みをどんなに抑えても1/2.3の現行の素子の長辺6.2mmを切ることは出来ませんし。素子をそのまま載せうわけではないので、どうしても厚みがでちゃいます…。
サイズ的には素子を拡大しなければギリギリ入りそうですが…
もしくは、屈曲ミラーをもう一枚入れてフォーサーズ時代にオリンパスがビューファインダー用に使っていたE-300みたいにするのかなぁ…。
ズームを入れて、絵はソコソコ。
素子を小さくしてズームの利便性を獲得っていうレベルなら採用は有るのかなぁ…。
イヤホンジャックの廃止は受け入れられるけど、カメラの光学系がガチャガチャになるのは避けて頂きたいなぁ。
情報源: 「iPhone 7」はデュアルカメラ搭載で2つのムービーを同時撮影可能?Appleの特許出願からカメラの大幅パワーアップの可能性が明らかに – GIGAZINE
情報源: Apple invents a new Dual Camera Zoom Lens System for Future iDevices & beyond – Patently Apple